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11.ブレーキパッドの材質 【ハイスチール材】

こんにちは
前回の 「ロースチール材」 にひき続きまして
今回はレース車両やサーキット走行に限ったスポーツカー向けの
「ハイスチール材」 通称セミメタル材、
そして 「フルメタル材」 についても解説していきます。

■ ハイスチール材
摩擦材にスチール成分(メタル成分=鉄成分)を
約40%以上含む製品
競技用セミメタルパッドがこの材質です。
高温域での性能に特化していますので
ストリート走行には向いておりません。

代表的なこのクラスの国産製品は
エンドレス CC-Rg
プロジェクトミュー Racing 777 & 999
ウィンマックス ARMAサーキット
フェロード DS3000 DS1.11
あたりになりますでしょうか

当方が開発に携わっているZBP製の【HR1】 【HR2】も
この 「ハイスチール材」 セミメタルパッドに属します。

このクラスのパッドも
記事2~5辺りでお伝えした通り
メーカーごとの効き方の特徴があります。

エンドレスとプロジェクトミューは初期が強め、
ウィンマックスとフェロード、そして
ZBP は初期を抑えて
奥までのコントロールを重視したタイプ、となります。
※初期は抑えているとは言っても
「ロースチール材」 のパッドよりは強いですが

低温域でも普通に効くモデルもございますが
適正温度に達しない低温度域で使用した場合には
ブレーキディスクへの攻撃性が高いものとなります。

もちろん高温域・高負荷下での使用も
それなりにディスクへの攻撃性は高くなります。

ちなみに 「ロースチール材」 の800℃の製品と
「ハイスチール材」 の800℃の製品を比べた場合、
最大温度は同じでも実際の使用で耐熱面においては
「ハイスチール材」 の方に余裕が出てきます。
これについては7回目の記事
「 材質特性による耐熱性能の違い 」
にて説明していますので復習してみて下さい。

こちらの 「ハイスチール材」 のパッドは
次に解説する 「フルメタル材」 に準ずる、という意味から
一般的には 「セミメタルパッド」 とも呼ばれていますが
最近では 「ロースチール材」 の材質構成の製品でも
「セミメタル材」 「セミメタルパッド」 と
表記している物もあります。

また、「セミメタル」の材質構成であったとしても
使用させているスチールファイバーの種類により
性能面ではロースチール材ランクの物もございますので
必ずしも
セミメタルパッド=最高ランクの製品
であるとは限らないのが現在の状況です。

■ フルメタル材
スチール成分(メタル成分=鉄成分)が100%の製品
耐久レース用のフルメタルパッドや
ジムカーナ用のサイドロック用リアパッド がこの材質です。
特殊な条件下で性能を発揮します。
※ちなみに 「フルスチール材」 とは言いません。

耐久レースでこのフルメタルパッドを使うケースは
わりと格式の高い部類のレースに限られると思いますので
一般の方がこれを使用される機会は
ほとんど無いのではないかと思われます。

ジムカーナ競技でのリア用フルメタルパッドは
ほぼ必須といってもいい位の重要パーツではないでしょうか
ここ一発の鋭いサイドロック性能を発揮し
製品によってはフットブレーキ時のブレーキングとの
バランスを うまく取っている製品もあります。

さて、前々回から解説の
「ノンスチール材」 「ロースチール材」
「ハイスチール材」 「フルメタル材」 に
4分類されるスポーツブレーキパッドですが
さらに細かい材質名となるとメーカーごとに
様々な名称で表記されます。

次回は実際の製品の材質表記名について
もう少し詳しく解説していきたいと思います。

最後までご覧頂きましてありがとうございました。

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